T+1決済への移行には、ミドルとバックオフィスのプロセスの抜本的な見直しが必要であると、最新レポートが提言
ロンドン – 2023年8月31日 – 証券・デリバティブのポストトレード処理に特化したSaaSプラットフォームのリーディングカンパニーであるTorstone Technologyと、リサーチ・アドバイザリー・サービスの世界的権威であるChartis Researchの共同レポートによると、従来のミドルオフィスおよびバックオフィスのインフラは、T+1決済サイクルへの移行をサポートするためにアップグレードする必要があり、そうでなければコンプライアンス違反のリスクがあることが明らかになりました。
レポート「T+1決済への移行: 障害と解決策」は、予定されている2024年5月の導入に先立ち、市場関係者が取り組むべき課題、メリット、ハードルについて分析しています。T+1決済への移行には、3つの分野に分類して慎重に取り組まなければならない大きな課題があることを強調しています:
- システムの即応性 (System readiness) と互換性(compatibility):決済サイクルの短縮化に対応するためには、現在のインフラをアップグレードまたは刷新する必要があります。これを怠ると、業務上の障害やシステム障害、取引決済の遅延が発生する恐れがあります。
- 連携性 (Coordination)と 相互運用性 (Interoperability):T+1決済の成功を確実にするためには、市場関係者が効果的に連携する必要があります。外国人投資家は、市場間で決済サイクルが異なることにより、さらなる障害に直面することになります。
- 規制遵守 (Regulatory Adherence):T+1決済の導入により、市場参加者は新たな規則や規制を遵守する必要があり、取引アロケーションの追跡、データ保存、報告責任がさらに高まることとなります。
同レポートは、T+1決済サイクルへの移行を成功させるためには、戦略的な計画、多額のテクノロジー投資、すべての市場関係者に対する広範なトレーニングと教育が必要であることを強調しています。また、進化する市場力学に対応するため、ミドルオフィスおよびバックオフィスのプロセス全体で非効率性の解消に取り組み、自動化を強化することが急務であると強く訴えています。
Torstone Technologyのブライアン・コリングスCEOは、次のようにコメントしています。「このような業界主導の市場構造の進化に適応する必要性を見過ごす企業は、競争の厳しい市場において、運営面でも競争面でも大きなリスクに直面することになるでしょう。マニュアル・プロセスやバッチ処理では、決済サイクルの短縮化に対応できないため、その時代は終わりつつあります。企業は、ミドルとバックオフィスのシステムを近代化し、自動化しなければなりません。」
市場参加者は、既存のポストトレード・テクノロジー・ソリューションを活用し、ポストトレード・ワークフローを合理化するための段階的なプログラムを導入することをお勧めします。インフラ強化のためのこうした戦略的な長期計画は、将来起こりうるT+0決済への移行への備えを保証するものです。
T+1決済サイクルへの移行は、金融業界にとって極めて重要な意味を持ち、以下のような多くのメリットが期待されます:
- 即日アファメーション(SDA)によるカウンターパーティーリスクの軽減
- 効率性の向上と約定訂正処理の円滑化
- 資金への迅速なアクセスによる流動性の向上
- 清算機関の担保要件とボラティリティの低減
- グローバル市場全体の最終的な整合性により、市場の安定性の向上
チャーティス・リサーチのリサーチ・ディレクトリー、ジェイ・ウォルステンホルムは、次のように述べています。「米国とカナダでT+2からT+1に移行することは、これまでの移行と比べ、複雑さが一段と増すことは間違いありません。バイサイドの取引アファメーション/コンファメーション義務は重大であり、セルサイドとバイサイドはより緊密に連携する必要があります。」さらに、チャーティスのリサーチ・ディレクター、ジェイ・ウォルステンホルムは加えています。「2024年5月の導入に向けて、既存のテクノロジーの多くは維持されなければなりませんが、バイサイドもセルサイドも、この期限に間に合わせるためだけでなく、将来的に避けられない決済の変更にも対応できるよう、テクノロジーの再構築を見直すきっかけになることは明らかです。」
移行に備えたいと考えている市場関係者は、Torstone Technologyのウェブサイト(ここ)から全レポートにアクセスすることができます。
Torstone Technology社について: https://www.torstonetechnology.com/
Torstoneは証券およびデリバティブを対象とするクロスアセット対応のポストトレード処理テクノロジーの大手グローバルプロバイダーです。 Torstoneの様々な受賞歴があり、クラウドベースのプラットフォームは、高速で柔軟性があり、先進的です。これにより、証券、投資銀行各社はコストを削減し、より優れた管理を実現し、リスクを最小限に抑え、運用効率を向上させることができます。何十年にも及ぶ投資銀行の専門知識と、グローバルな金融市場およびテクノロジー業界に関する深い知識を組み合わせ、Torstoneは俊敏性、安全性、拡張性、および費用効果の高いソリューションを提供します。
Torstone Technologyはロンドンに本社を置き、ニューヨーク、トロント、香港、シンガポール、東京にオフィスを構えています。
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